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異彩ノ雫

第97章  五ノ月 ③




夜の雨は お月さまの涙…


昔 教えてくれた人がいた
暖かな声で
呟くように



夜更けて降り始めた細かな雨は
風に流され
窓硝子で小さな滴となる


…涙はね 嬉しいときも流れるの



雲に隠れた今宵の月は
何を思って降らしたものか







【夜話】


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