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異彩ノ雫

第97章  五ノ月 ③




ほんのりと

色づく窓を開け放ち

立ちのぼる香気を

ひと口ふくめば

五感が静かに目覚めゆく



暁に浮かぶ幻の

胸を満たす 甘やかなほろ苦さ



微睡みに揺られる人へ

想いを放ち

そっと

カップに口づける







【珈琲】


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