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異彩ノ雫

第101章  五ノ月 ⑤




西陽に背を向け

渡るスクランブル交差点

ふいに

胸に吹き込む冷たい風

遠退くざわめき…


ただ中で

まよい子のように立ち竦む



ワタシハ ドコヘ ユクノダロウ…



仰ぐ空に 茜雲ひとすじ流れ

その行方に心添わせれば

よみがえる潮騒の響き



弾かれたように踵を返し

溶け落ちそうな夕陽へ向かう







【交差点】


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