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異彩ノ雫

第124章  八ノ月 Ⅱ ③




眠りの精が

そっと瞼にキスをした


待って…!


墜ちゆく淵にとどまりながら

名残の想いが声をあげる



あの人へ

手紙を書いていたところなのに

他愛のないお喋りを

聞いてもらいたかったのに…



重い瞼と 夢のはざまを

妖精の羽ばたきが去ってゆく







【心残り】


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