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異彩ノ雫

第131章  九ノ月 Ⅱ ②




あの角を曲がるまで…
いいえ
その先の交差点まで…


肩を並べ 歩並みをあわせ
ふたりでたどる道は
どこかへ向かう道ではなく
ただ 一緒にいるためだけの道


あの花をもう一度見ましょうか…


ふと触れた指先に頬染めながら
引き返すふたりの影が
夜のとばりに溶けてゆく







【道草】


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