テキストサイズ

異彩ノ雫

第156章  十二ノ月 Ⅱ




── 思い出は ただ懐かしむもの
還らない時間だなんて
思っちゃいけない…

吐息まじりの君の言葉

そっと窺う横顔は何も語らず
けれど
グラスを握る指先は
薄明かりの中ひときわ 白い

そう
いつだって
思い出は眩しいほどに鮮やかだ…


今夜はふたり
心ゆくまで旅をしよう
優しい過去と
あり得たかもしれないもう一つの道を







【とまり木】



ストーリーメニュー

TOPTOPへ