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異彩ノ雫

第156章  十二ノ月 Ⅱ




冬木立の薄い影を踏みながら

耳を澄ませば

君住む街に降る雪の音が聞こえてくる



指先に息を吹きかけ

見上げる空



そっと呟く君の名は

優しい谺のように

震える肩を包んでは消えてゆく







【谺(こだま)】


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