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異彩ノ雫

第160章  十二ノ月 Ⅱ ③




湯気をあげる
銀のケトルからそそぐ熱が
茉莉花を目覚めさせる

ため息のような芳香が
ガラスのポットから立ち上ぼり
午後の日差しに溶けて流れる

本を膝に乗せたまま
眠り込んだ君の瞼に口づけて
お茶の時間を告げようか


── お嬢様
花の笑顔をお見せください…







【茉莉花茶】


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