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異彩ノ雫

第17章  八ノ月 ③




嵐を兆して流れる雲…

足早になりながら

ひとり渡る

スクランブル交差点



斜めに渡るいつもの道を

あの日に限り

まっすぐに横切るその瞳は

何を映していたのだろう



並ぶ肩のない今は

強まり始めた風が

傍らを追い抜き吹くばかり



人波の中立ち止まり

また

懐かしい声を探している…







【十字路】



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