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異彩ノ雫

第167章  一ノ月 Ⅱ ②




私が辞書を編むのなら

深いブルーに金の箔押し

優しい布張りの装いで

『あなた』

から始めるでしょう



── 凍える夜に

そばにいてほしいひと──



続くページは白紙のままに

私だけの一冊を

本箱の奥深く

想いとともに眠らせるのです







【辞書】


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