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異彩ノ雫

第167章  一ノ月 Ⅱ ②




痺れるほどの水の中

ぱちん、と弾けた音が

朝の空気を震わせる



永らえよと祈りながら

入れる鋏と

切り落ちた花の形見…



残る大輪の華やぎが

凛として

水盤に匂いたつ







【花鋏】


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