テキストサイズ

異彩ノ雫

第174章  二ノ月 Ⅱ




未だ
固い蕾に小首をかしげて
枝をわたる鳥 一羽

薄緑の翼に
名のみの陽射しが優しくそそぐ


去年の花は
どこで見上げたものだったか…

暦をきざむ時の流れは
いつも
心を置き去りに過ぎてゆく


どうか 誰も
涙のわけを問うてくれるな







【立春】



ストーリーメニュー

TOPTOPへ