テキストサイズ

異彩ノ雫

第19章  八ノ月 ④




白いパラソルが

午後の日差しにひときわ映える



少し傾げて 天を仰ぐその人は

眩しげに目を細め

ゆるりと背を向けた



まるで

陽炎のようにゆらめいて…



心騒ぐまま 早めた足で近寄れば

見上げる目元は優しく綻び

花の微笑み 胸を焦がす







【陽炎】


ストーリーメニュー

TOPTOPへ