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異彩ノ雫

第19章  八ノ月 ④




重く 暗い雲の上を

龍がわたる空なのか



叩きつける雨が頬に痛い



千切れるほどに乱れる梢

波を巻き上げる白い水面

すべての営みが

荒ぶる渦の中 息をひそめる…



天よ鎮まれ

愛しいものを迷わせぬよう

龍よ猛るな 静かに眠れ







【飛竜】


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