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異彩ノ雫

第185章  三ノ月 Ⅱ ②




めぐり来る季節の中に
優しく私を諭した声が聞こえる
人は
ふたつの場所にはいられない、と

あの時
ここではない夢の待つ彼方へ
立ち去ったあなた

言えなかった言葉は
ふたり 過ごした月日を
思い出にさえできなくて…

今も私は
花の下に立ち尽くしている







【季節風】


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