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異彩ノ雫

第19章  八ノ月 ④




うわごとのように

愛しい人の名を繰り返し

浅い眠りに見る夢は

いつも朧に儚くて…



泣いていたのだろうか

呼んでいたのだろうか



虚ろなままに立つ窓辺

明け初める短夜の空…



胸を焦がす想いばかりが

夢の名残を物語る







【夏暁(なつあけ)】


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