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異彩ノ雫

第19章  八ノ月 ④




黄昏を切りさく突然の雨…



思わず手をとり

わずかな軒に駆け込みながら

初めて触れたぬくもりに胸は疼く



濡れて甘い髪の香り

雷鳴に震える指…

強く繋ぎ直せば

振り向く瞳がはにかみ揺れる



吹きつける雨は冷たくて

雫のつたう唇に

熱を求めてくちづける…







【驟雨】


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