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異彩ノ雫

第194章  四ノ月 Ⅱ ②




── 出会った日の君は
目映い転校生だった

真新しい制服が
わずかに馴染んできた春の終わり…


── 出会った日のあなたは
大人びた瞳の少年だった

窓際に座るあなたから
目をそらすことができなかった…


けれど
告げる言葉はないまま
ふたりを分かった長い時間…

やがて過去が
狂おしい思い出に変わる頃
ふいに重なりあう それぞれの道



── いてくれて ありがとう
あの日あの場所に…


繋ぎ合う心は
もどかしさに歯噛みをする運命の
仕掛けた小さな魔法



朧な月に
ふたりの影が寄り添い浮かぶ







【めぐり逢い】



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