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異彩ノ雫

第205章  五ノ月 Ⅱ ③




時計の音が
ひときわ響く今宵は新月
寄り添う月のいない空に
所在なげな星が瞬く

窓辺には
眠りを忘れた少女がひとり
細い指を組みながら
願いをかける

── お月さまをくださいな

思案顔にうつむく星は
月を探しに 夜を駆ける







【ながれ星】


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