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異彩ノ雫

第212章  六ノ月 Ⅲ ②




梅雨空の悲しみは

しのつく雨に

俯き歩く足どりと

見上げる者の かすかなため息



けれど 花は咲く



潤みの風のなか

暗色の空に向かいほころぶ

緋色の胸のうち

知るものはいないとしても…







【紫陽花】


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