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異彩ノ雫

第212章  六ノ月 Ⅲ ②




汀に眠る涙の雫
誰がこぼした哀しみか

波にさらわれ
潮のうねりに流されて
束の間を
砂のしとねに憩う 今
朝の光が降り注ぐ

つと伸ばされた細い指
哀しみをはらい
空の高みにかざす時
硝子の命が甦る







【シーグラス】


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