テキストサイズ

異彩ノ雫

第213章  恋文 (十九)




なぜ
僕たちは出会ったのだろうね

大人びたこどもの君と
子供みたいな大人の僕が…


── ふたりで旅をするためよ
そんな風に君は言う

だったら、と僕は思うんだ
僕は先に旅をしてこよう!
その時が来たら
君をきちんとエスコートできるように



だからね 君
10年…は長すぎる
5年待っててくれるかい?
レディになった君の
手をとりに帰ってくるから


もしも その時君が
僕に微笑んでくれたなら
ふたりの旅を始めよう!
終わることのない旅を……







(了)





ストーリーメニュー

TOPTOPへ