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異彩ノ雫

第226章  恋文 (二十二)




あんたが
風のように消えてしまってから
もう 3か月…


今でも店は大騒ぎのまま
常連客がグラスを運び
あたしまで
飲みながらお皿をさげる始末さ

そう あんたはいつも
ステップを踏みながら
テーブルからテーブルへ笑顔をふりまいた


店で話すのは
皆 あんたのことばかり
今年のワインの話をしていたはずが
いつのまにか
陽気なあんたのウワサ話になってしまう



ねえ、あんた
帰ってきてよ…!


帰ってきて
あたしに愛してるって
言わせてよ

お願い……







(了)



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