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異彩ノ雫

第228章  八ノ月 Ⅲ




日盛りの舗道にあって

涼やかに佇む人



雑踏が音を消して通り過ぎる



目を逸らせず

道のこちらで息を呑めば

待ち人と

去りゆく背中に揺れる髪…



まばたきの間の出会いは

時の戯れ

約束の叶わぬ夏の幻







【憧憬】


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