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異彩ノ雫

第232章  八ノ月 Ⅲ ③




はぜる火花に浮かぶ横顔
浴衣から覗くうなじが
夜に白い


── 煙に、ね…
俯いたまま
涙をまぎらせ微笑む君

気づかぬふりで伸びをすれば
指先にともる星ひとつ


そのままに触れる
華奢な肩を
祈りの中に抱きしめる







【線香花火】


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