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異彩ノ雫

第239章  九ノ月 Ⅲ ②




名残の向日葵に鋏を入れたあの日

星の出が早いことを

手紙にそっと書き添えた



蒼い夜空に流れる雲も

何となく儚げで

涼風に震える水面に映っては

溶けてゆく



── ねえ、あなた

十五夜の月は

一緒に見ましょうね…







【初秋】


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