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異彩ノ雫

第239章  九ノ月 Ⅲ ②




── まだ 怒ってるの…?

背を向けたカレの肩がピクリと揺れる

見つめ続ける窓の外に
何があるのか…
金色の光が西へ傾く


── いつだって
あなたが私の一番なの

幾度も繰り返した言葉に
ようやく振り向いたカレの瞳は
穏やかな海の色を取り戻していた



もう二度と
カレ以外に声をかけることはない…
誓いの中に
艶やかなビロードの背中を
抱きしめる







【カレ或いは黒い猫】



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