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異彩ノ雫

第24章  九ノ月 ②




切り通しの急坂をひとり歩けば

濡れた草の匂いに包まれる



古のもののふ達

何を思って駆けたのか

何を守って挑んだのか…



ゆく風に鬨(とき)の声が束の間轟く



葉ずればかりがひそやかに

残された哀しみを詠いかける







【山路】


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