テキストサイズ

異彩ノ雫

第246章  十ノ月 Ⅲ




やがて

夜が明けるだろう

たとえ

私が眠らなかったとしても



薄紫に染まるしののめの空へ

鳥は はばたき

風は葉先の露を散らす



そんなありふれた情景が

胸の中に浮かんでは

ことさら切なく

仔猫のような人恋しさで

窓を開ける…







【夜明け前】


ストーリーメニュー

TOPTOPへ