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異彩ノ雫

第247章  恋文 (三十)




また
あなたの作品に出会う季節が
やってきました

いつものギャラリー
ドアを開ければ
たくさんの人から握手を求められるあなた

溢れる情熱をもて余すような油絵からは
あなたの眼差しや苦悩さえ伝わるようで
立ち止まりながら
息を整えるのです

ああ、あなたは旅を続けている…

あなたを慕う
学生のひとりにすぎなかった私のことなど
覚えてはいないでしょう

けれど
私はあなたを忘れない
あなたの夢に夢をみるから…







(了)




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