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異彩ノ雫

第248章  十ノ月 Ⅲ ②




秋の陽はうつろいやすく

そぞろ歩きの影が長い



ぽつりぽつりと

少女の頃の夢を語る君が

ふいに

しゃがみこめば

倒れかかる薄紅色の花ひとつ



そっと石垣にもたせかけ

僕を見上げる瞳の中

想いを湛える泉が見える







【秋桜】


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