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異彩ノ雫

第250章  十ノ月 Ⅲ ③




今宵の月は十三夜


かねて用意の旨し酒を

杯にそそぎ満たせば

黒釉の闇に灯りがともる



ひと口ふくむ胸のうち

去年(こぞ)の今頃の思われて

洩れる吐息に月も笑う







【十三夜】


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