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異彩ノ雫

第29章 VIVA!Cinema☆ 2




そのメロディはいつも胸を震わせる

ジェルソミーナ…

小さな身体を道化の衣装に包み
泣き笑いで手をふる姿

片隅でひっそりと
哀しみを湛える瞳は
運命の風に揺らぐばかり

━━ どんなものでも何かの役に立っている

陽気な綱渡り芸人の言葉は
彼女の救いになっただろうか…

寂れた海辺の波間から
孤独な魂の奏でた調べが
今もきれぎれに聴こえてくる







~道:1954年~


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