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異彩ノ雫

第30章  九ノ月 ⑤




この道に

去年と同じ花が咲く

ただ

それだけのことに浮き立つ心…



時雨て色濃い紫に

あの人の面影を映しては

膝をつく



頬をつたうのは雨ばかりか…



移ろう季節に想いは褪せず

焦がれるばかりの時を重ねる







【紫】


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