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異彩ノ雫

第282章  恋文 (四十四)




あなたへ想いを打ち明けてしまいたい…
いえ
このままでいいのよ…!


ふたつの心に揺れながら迎えたその日は
あなたの背中を
人波の中 見送るだけで幕を閉じました



きちんと泣くことをしなかったからでしょうか


時が過ぎた今でも
この季節になると胸が熱く濡れてきて
花の色を滲ませるのです…







(了)



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