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異彩ノ雫

第284章  四ノ月 Ⅲ




青灰色の空の下
ひとり佇む私は
夢のなかでさす傘を
持っていなかった

降りやまぬ細かな雨…

けれど
あてどなさに揺れながら
あなたが
迎えに来てくれるとも知っていた

そして 私は待ち続ける
眠りから覚めるまで
頬を濡らし ひたすらに







【傘】


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