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異彩ノ雫

第285章  恋文 (四十五)




冬が舞い戻ったような公園で
君は桜にそっと触れながら
唇を小さく動かした

風が散らしたその言葉は
僕の胸に静かに届く


春を惜しめば 切なさばかりが
ふたりの時間に刻まれた



ねえ、忘れないで
帰る場所はここにある
君を想う人がここにいる


どうか、忘れないで…!







(了)


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