ただあなただけを見つめる
第25章 決意
それは思っていた答えとは違っていた。
「…………は?」
暁を見て、呆然とする。
とても暁の言ったことだと信じられなかった。
いつか、
――“できたら産んでほしい”
そう言っていたから…。
「どうして…?」
「俺…犯罪者だぜ?
出所した時、仕事なんてないだろうし、子供育てる余裕なんてねぇよ。
それに……」
暁は一瞬言葉を詰まらせると、
「誰が犯罪者の子供を愛してくれる…?
生まれてくる子供がかわいそうだ。」
そう言ったのだった。
「………。」
何も言えなかった。
暁の言うとおりだ。
苦労するのは子供。
犯罪者の父親がいると知られたらいじめられるかもしれない。
それだけじゃない。
その子の人生までも狂わせてしまうかもしれないんだ…。
「………わかった。」
私はついに決意した。
私は――――――――………