
ただあなただけを見つめる
第26章 光の粒
【 4年後 12月24日 】
「あの時は辛かったね。」
飲み干したコーヒーカップを受け皿にコトッと置く私。
同じようにコーヒーカップを置くと、旭さんがふふっと笑った。
「最近どうなの。向日葵は。」
「もうやんちゃやんちゃ!
落ち着きないし、そっくりだよ。」
私はゲラゲラ笑うと、ケーキを頬張る向日葵のサラサラな髪を撫でた。
「なぁに、ママ?」
「ん~?おいしい?」
「おいちい!ママもたべる?」
あーん、といいながらケーキのささったフォークを口元に持ってくる。
パクりとケーキを頬張った。
「ん、おいちいね?」
「あれれ、向日葵。
旭おじちゃんにはないの?」
「おじちゃんはだめー!」
ベーッと舌を出す向日葵。
旭さんは「おじちゃんショックだよ~」とコーヒーを飲んだ。
