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ただあなただけを見つめる

第4章 過去





ほんとは苦しくてたまらなかったのだ。



施設を飛び出したあの日、
私は職を探して歩いた。



でもこのご時世、

中卒もままならない少女を雇ってくれる企業なんてどこにもなかった。


ましてや孤児なんて…



そして仕方なく足を踏み入れたのが、“夜の世界”。


運よく18歳以上だと信じてもらえたから何とか働いたものの、

苦手なお酒を毎日浴びるように飲まされ、体力の限界だった。



もちろん、誰も私を助けてはくれなかった。



ううん。


助けてもらいたくても無理だったんだ。


…孤独だから。




「うわぁーーーん…」



暁の胸に顔を埋め、声を上げて泣き叫ぶ。



暁は優しく背中を撫でてくれた。



ずっと…

ずーっと。



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