ただあなただけを見つめる
第7章 本音
朝のニュースの音と、トーストをかじる音だけが部屋に響く。
暁をちらっと見ると、ボーッとトーストをかじっている。
いつも朝から騒がしいのに、相当昨日のことを引きずってるようだ。
「ちょっと、なんか喋んなさいよ。文句あるなら言いな。」
「……。」
「暁?」
「夏帆は…俺が嫌いか?」
「え?」
暁は食べかけのトーストを置き、真っすぐと私を見た。
「別に嫌いじゃないけど…」
「でも束縛する男は嫌いなんだろ?」
「まぁね。」
暁はまた肩をすぼめる。
トーストも目玉焼きも冷えて固まっていた。
その時だ
ヴヴヴ…ヴヴヴ…
暁の携帯が震える。
「携帯鳴ってる。」
「……あぁ」
暁は携帯を取ると、廊下に出て行った。
気にせずテレビを見ていると、「ありがとうございます!」という暁の声が聞こえた。
何だろうか。