ただあなただけを見つめる
第2章 傷だらけ
今日は金持ちのおやじとホテルに行った。
援助交際というのだろうか。
身体を売ってお金を稼ぐの。
全身を舐められ、舐めさせられ、入れられる。
正直、超気持ち悪い。
まぁ、お金のためなら何だってするんだけど。
「早く帰って寝よ…」
私は家の方向に歩いていた。
――その時だ
「うあっ…!」
偶然通りかかった路地からうめき声と何やら鈍い音が聞こえる。
不思議に思った私はそっと路地を見た。
「うわ………」
思わず顔をしかめる。
…喧嘩だ。
しかも大勢の男に対して蹴られているのは一人。
昔から気だけは強い私は、すぐに男たちに駆け寄った。
「ちょっと!やめなさいよ!」
男たちが一斉に振り向く。
「あぁ?女は引っ込んでろ!」
「きゃっ……!」
肩を強く押されしりもちをついた。
見上げると男たちは私を睨みつけていた。
耳、唇、鼻に光るピアス、タンクトップから覗かせる派手な刺青は迫力があり、
さすがの私も怖くなる。
でも……負けない!