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ただあなただけを見つめる

第12章 キス





「暁やめろ。」

「うるせぇ!てめぇこそ人の女に手出してんじゃねぇよ!」



―――バキッ


止めに入った旭さんを殴る暁。


鈍い音と共に旭さんが倒れ込む。


暁は今まで見たことのないくらい怖い顔をしていた。




「暁やめて!」



バキッ!バキッ!


それでも鳴りやまない音…




「やめて!!やめて!!」


暁にしがみつく。



旭さんが死んじゃう!




すると暁が振り上げた拳を下ろした。


そして気を失う旭さんの上で言う。




「何でかばうんだよ…。」

「かばうとかじゃなくて!
死んじゃうでしょ!!」

「夏帆は兄貴が好きか?」

「そうじゃなくてっ!」

「だったら兄貴のとこに行っちまえ!」



ドンッ



暁は私を突き飛ばすと店を飛び出てしまった。




私はただ呆然としていた。




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