ただあなただけを見つめる
第13章 涙
暁がいなくなった部屋は広かった。
ベッドも、シングルなのにセミダブルくらいに見える。
ずっと暁と共有してたからかな。
少しシワになった真っ白いシーツを撫でる。
そしてハッと我に帰った。
「前に戻っただけじゃん…」
ぽつりと呟き、お風呂に向かう。
脱衣所に行くと、洗濯物のカゴにはこんもりと洗濯物がたまっていた。
「洗濯しなくちゃ」
とは思うが、実は私は洗濯機なんか使ったことなかった。
一人暮らし中もずっとコインランドリーだったし。
……いつもはやってくれる人がいるのに。
「はぁ……」
洗濯は放置してお風呂に入った。
お風呂から上がり、冷凍庫を開ける。
冷凍庫の中には相変わらずアイスだらけだった。
まだ食べ切れてないのに次々買ってくるから……。