ただあなただけを見つめる
第16章 花火
――8月下旬
夏の風物詩、花火大会が行われるこの時期…
「暁ー、早くしないと花火始まる!」
「はいはい。」
私たちはデートをすることになった。
いつも一緒にお家でまったりしてるから、
実は初デートでもあるの。
「夏帆、浴衣買えばよかったね。」
夜道を二人歩きながら、
私の白いロングワンピを見て、暁がぽつりとつぶやく。
「浴衣なんて高いからいらないわ。」
「夏帆は夢がないね。
花火の後が肝心なのにさ。」
やれやれ…と手を
┐(´-д-`)┌←とする暁。
私は呆れたようにため息をついた。
暁のことだし、どうせヤラシイことでも考えてるんだろう、とわかっていたから。
しばらく歩いていると夜店がたくさん並んでいた。
ふわふわと祭りの匂いが鼻をかすめる。
夜店を歩くなり、
「りんごあめ!」
とはしゃぐ暁。
「子供ですか。」
「うるせえ///」
真っ赤になる暁がかわいかった。