ただあなただけを見つめる
第3章 再会
あれから一週間。
彼とはもう会うことはなかった。
あのあと気がつけばいなくなっていたのだ。
泊めてやったんだからお礼くらい言って帰れよ!って感じ。
名前も聞き忘れた。
元気にしているのだろうか…
まぁいっか。
関係ないし。
―――――…
「あ……っ」
「夏帆ちゃん…ハァハァ…」
某ホテルの一室で、今日も知らない男に抱かれる。
デブで加齢臭のキツイおやじだ……。
早く終わればいいのに。
「気持ち良かったよ。
またお願いね。はい、これ。」
行為が終わると、男は分厚い封筒を手渡した。
中身を確認する。
20万近く入っていた。
私、20万の価値なんだ。
「ありがとう♪
私も気持ち良かったわ。」
私は封筒をバッグに入れてホテルを出た。
今日の仕事が終わった。