ただあなただけを見つめる
第18章 悪魔
そして13時になり、
暁には内緒で町にやってきた。
「プレゼント買う」なんて言ったらサプライズじゃないし。
「暁…ごめん。」
パンッと空に向かって手を合わせる。
暁は死んだわけじゃないんだけどね?(笑)
とりあえず手近なショップに入る。
「何がいいかな~」
そういえば暁の欲しい物とか知らないなぁ。
リサーチしておくべきだった……。
「ん~…」
いろんなお店に入ったものの、ピンとくるものがない。
てか私、暁の好きなものとか全然知らないんだなぁ…
暁は私のこと何でも知りたがるのに、私何にも聞いたことないかも。
彼女失格じゃん。
そんなことを考えていると、「プレゼントをお探しですか?」とお店の人に声をかけられた。
二十代前半の男の人。
重ね重ねごめん、暁!
この人に選んでもらうよ。
「彼氏のプレゼントなんですけど。」
「あ~、でしたらこんなのとかどうですか?
今年は結構売れてますよ。」
お兄さんが差し出したのはマフラーだった。
グレー、ブラック、ホワイト、それからボーダーの四種類ある。
そういえば暁はマフラー持ってない気がする。
バイトもジャケットだけだし。
「いいかも…」
「グレーがおすすめですよ。」
「じゃあグレーで!」
全然自分で選んでないけど、まぁいっか(笑)