ただあなただけを見つめる
第19章 汚れたカラダ
気絶していたのか…
目が覚めた頃には辺りはオレンジ色だった。
冬なのに綺麗なオレンジ色…
泣きながら散らばった服をかき集め、着替える。
汚れてしまった……。
やっぱり一人で来たのが間違いだった…。
ハッとして携帯をかばんから出す。
着信30件、メール25件…
すべて暁から。
そして今も携帯が鳴り響いていた。
震える手を押さえ、ゆっくりと通話ボタンを押す。
「……もしもし」
『夏帆!?
今どこにいんだよ!!』
大きな声に耳がキンとする。
暁はパニック起こしてるようだ。
「わかん…ない……」
『夏帆?何があった?』
「うぅ…ごめんなさい…ッ」
『とりあえず今どこ?!
周りに何が見える?!』
暁に言われたとおり、路地からひょこっと顔を出す。
ここは……
「△町二丁目の……コンビニ……の前……の……路地……」
『わかった!
夏帆、絶対そこにいろよ!』
ブツリと電話が切れた。
暁が来てくれる…
少しだけホッとした。