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もし国民的アイドルのマネージャーが風俗嬢だったら

第12章 小野智の事情②前編

「謝らないで。智……好きよ……ホントに」

菜々子が唇を重ねようとしたが
俺は顔を背けてしまった。

「智?」
「……ごめん。俺、最低だな」

今の俺が情けなく恥ずかしかった。

菜々子は全員のカノジョだと
祟メンバーは理解し納得しているのに
リーダーの俺だけが未だに
腑に落ちないでいる。

「描いて」
「え?」
「智の今の想いで私を描いて」

予め用意していた椅子に
菜々子は背筋をピンと張り座った。

今の俺が描きたい菜々子とは……

俺だけが知っている菜々子を描きたい。

すっかり翔くんの言葉に影響されている。

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