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もし国民的アイドルのマネージャーが風俗嬢だったら

第12章 小野智の事情②前編

クリーム色のブラウスに
青い膝丈のフレアースカートを
纏った菜々子をデッサンする。

これは俺が描きたい菜々子じゃない。

祟メンバー全員が知っている菜々子だ。

自ずと描く手が止まる。

「……ダメだ。やっぱり」

鉛筆を置く。

俺しか知らない菜々子は存在しない。

「智……どうしたの?」
「俺だけが知っている菜々子が欲しい」

これが俺の本音。

描きたいどころか欲しいんだ。

菜々子が祟メンバー全員のカノジョなら
せめて俺だけが知っている菜々子が欲しい。

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